Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme

Aozora Bunko

エリセーフ父子

今パリにいるエリセーフがそれである。二、三年前訪ねてきたとき、多摩川の川向うにある古風な紀伊の国屋という料理屋へいっしょに行った。純日本料理、それも川魚料理であったが、その折、店の主人が「どうか一筆、記念のためにぜひ」といってきた。断るかと思って見ていると、筆を使い、懐から用意の印形を取り出した。まったくの日本通である。

昔エリセーフが東京に勉強に来たころから、つきあっていたが、非常に変った人で、モスクワの有名な百貨店の持主で、大変な金持であった。革命でそれをすっかり没収されてしまい、わずかばかりの身の回り品をパリへ送っておいて、身一つで逃げ出した。パリに着いても、なかなかその荷物が受取れないで困っていた。

非常に難儀して、パリの日本大使館に、低いわずかの月給で働いていたが、そのころ私はパリの大使館で会った。日本人が代る代る行って、とうとうその引掛っている荷物を取戻すことに成功した。そしてやっとフランスの国籍を得て、今ではフランス人である。

昔、偶然東海道の汽車の中で会ったことがあるが、その時ニキタという子供をつれていた。その名前を憶えていたので、今度来た時に、ニキタのことを聞くと、今は偉いアラビア学者になって、フランスがアラビアに設けた研究所の所長になっているという話であった。