Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
が盛んに出て来、そのうちでいちばん優秀にしてかつ早く世の中に出たのが松本烝治だった。
松本が寄宿舎に入れられることをお母さんなんかが大変嫌がって、入れない運動もしたらしいが効果はなかった。はじめのうち、本郷の新花町に一軒家をもち、妹二人と三人で住み、世話役を二、三人つけていた。それがどうしても寄宿舎に入らなければいけないといわれて、一年だけ入ったのであった。その間にすっかり悪いことを覚え、酒の味もこの時覚えてしまったらしい。「お父さん怒りゃしなかったか」ときいたら、親父は黙って見ていてから、「飲めるんなら仕方がないから、まあ用心しいしい飲んだらよかろう」と答えたとか。とうとう「蹴込み党」という綽名までついてしまった。他所で酒を飲んで帰って来る時、ぐにゃぐにゃになってしまって、人力車に乗っても上の腰掛けに上げられず、車の蹴込みに寝てしまったままそっと曳いて送ってもらって来るというわけである。いい男だったので、友達も大勢おり、そのために、私らまで自分の地位がだんだん固まって来るような気がした。
そのうちに大学が各地に出来、それに先立って高等学校が全国に広く出来てきた。