Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
嫂さんから電話があって、私もびっくりして行って見た。何でもその夜は家中がまだおきているのに、二階で寝ていた達三が降りて来て「ああ今日みたいに頭がさっぱりしたことはない。思ったことがこんなに出来たことはない」といって、また二階へ引返して行って、そのまま死んだのだそうである。つまり薬を飲んでおいてから階下に降り、それだけいってから死にに行ったのであった。
非常にはっきりしたいい男だった。それから間もなく追悼会を芝の青松寺で催し、二十人足らずの人が集まったが、その中に芦田均君がいたので聞くと、兄さんの方の友達だそうであった。兄は芦田君、弟は二年下で和辻君の友達だったらしい。死ななくてもよかったと思うのに、打ちしおれていた時に、引止める力がいかにも足りなかったのが、残念であった。
同じ播州の出身で、個人主義で周囲に非常な影響を及ぼしていた魚住影雄の影響もあって、懐疑的になっていたのかも知れない。兄は昔風の気持でいたのに、達三はちょっと新しくなりかけていた時代で、迷うことも多かったのかも知れない。さっぱりとしたいい男だったのに、惜しいことであった。
ついでながら、魚住君はたしか飾磨かもう少し東の方の出身であった。