Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme

Aozora Bunko

長官は長谷川という人で、その秘書官の仕事までさせられて、横須賀に行っていた。

アメリカの方から津軽海峡をぬけるような無茶な汽船があったり、樺太の南あたりで捕えてつれて来たりするので、一時はなかなか忙しかった。シャンペンを何百ダースもつんでいる船があったり、ドイツの船でタバコの良いのを非常にたくさん積んでいるのもあった。たしかパロスという名の船であった。積載物の目録を、私が字引をひきながら作ったが、どうしても解らないものがあった。フランス語で書いてあるのを字引でさがすと、どうも日本語の朝顔に当るものである。こんなにたくさん朝顔を運ぶはずがないと思っていると、「それは便器の朝顔だろう」などとひやかす者もいて、困ったことがあった。じつはセロリイみたいな野菜であった。まったくおかしな話が多かった。

はじめアジア方面から来る船が多くて、佐世保の方でばかり捕まるので、うらやましく思って、戦争の最中に長崎まで見に行った。佐世保にしばらく滞在している間に捕獲船を訪ねてみると、船長の部屋は汚かったが、船長は小説が好きらしく、非常にたくさんの小説がおいてあった。イギリス船だったが、私も英語の小説を三、四冊持って東京に帰った。