Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
それが明治になってから一層、漢語で物をいわないと相手が偉いと思ってくれないようなことになった。陳紛漢など陰ではよくいうが、こんな知ったかぶりをする奴を冷かす言葉は分っていても、陰でいう人自身にもその中身は分っていないのである。
伊藤仁斎先生が長屋に住んでいるために、隣の長屋の井戸さらいに出掛けたという有名な話がある。先生はきっと長屋の人とつき合う時には、長屋の言葉で話しておられたのであろう。それがいかめしく「ご承知の通り」とか「皆さんすでに知っておられるように」とかいってしかつめらしい言葉を用いはじめたのは、明治時代である。だから明治文化の批判をする時には、まずこの点から入ってゆかなければならぬと思っている。
今の世の中でどういう種類の者が一番易しい言葉を使っているか、何といっても小説家であろう。小説は他に効能は少ないけれども、この点だけは私らが憶えてからぐっと変ってきた。買う人が自由に選択できるとなればやっぱり分りやすく書くことになるからであろう。
新聞も努力しているが、なかなかうまくゆかないらしい。例えば首くくりではいかにも下品に聞えるというので、縊死と書こうとする。