Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
『大日本史科』の「年末雑載」に出ている女の人の文章は読みにくいもので、日本語の歴史のいちばんの難関になっているが、無駄のない、きりっとしたもので、理智的な婦人の意志表示ともいうべきものである。財政問題が多いが、これも主婦のやる任務が、これでおしまいになるからであろう。喧嘩をさせず、家は繁栄させるように、そしてすべての者が多少ずつは幸福になるようにという、細かい心づかいをしたものである。当時の女の人の感情がこもっていて、日本人の婦人生活を調べる資料として、こんなに良いものはないと思っている。このような古文書を通して日本の女性文芸を知ることは、民俗学と同じく、人の省みないものをとり上げることになる。
明治から大正へと、社会の進歩を示す例として、第一に、今いったような夫婦喧嘩の変化が、私どもの母の時代にあったのである。
第二には子供が綺麗になったこと。これは必ずしも女の力だけでなく、社会の文化が進んだからだが、私らの一代の間の出来事である。たんに鼻汁を出さなくなったばかりでなく、その容貌が綺麗になり、顔の長さも短かくなったように思う。私が大正十二年の暮、西洋から帰る船の中で、いっしょになった西洋人の親子に心ひかれたことがあった。