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Japanische Klassiker mit Furigana

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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme

Aozora Bunko

年は父の方が五つ六つ上であったろう。

この網干の中川がまた、何代か前に川辺の中川から分れた家で、代々医者をしておった。

私の祖父の兄に善継という医者がおり、長崎へもたびたび往復した学問の深い人物で、この人がその甥にあたる私の父に対して、非常に大きな感化を与えたのであった。

網干の中川は川辺の中川から別れたのだが、名家として徳望を備えるようになっていた。

善継の息子淡斎は、私の父と従兄弟になるわけだが、それが大変優秀な青年で、長崎へも留学したりしたが、若死をしてしまった。後には娘が一人あるきりなので、この娘に明石の中沢とかいう家から養子を迎えたが、これも相当な医者で、姫路病院につとめていた。どうも家の衰える時というものには方式があるように思われるが、この中川にも男の子がなく、娘が後を継いだ。私が最後に訪ねて行った時、中年の婦人が出てきて、私のことを知っており、「あんたは、くにょはんかいな、しずはんかいな」といったりしたので、話をしてきたことがある。このお婆さんの後、二へんか三べん養子が続いたらしいが、今の人はまるで付合っていないから知らない。しかし私の祖父陶庵は、その網干の中川から松岡家に来た人である。