Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme

Aozora Bunko

私なども自然に感化をうけ、鴎外の『水沫集』など、文章のいいところを暗記していたほどであった。

「於母影」が国民之友に出たのが明治二十二年だったかと思う。S・S・Sすなわち新聲社という名前で掲載された。そのときのお礼が三十円で、それを元にして『しがらみ草紙』が出来たのだという話である。井上医院の玄関が文学談でにぎわったのは、この『しがらみ草紙』のころであった。

子供だった私は、森さんのお宅に伺うとお菓子が食べられるので、よくお訪ねしたが、『萬年草』の時代には行かなくなっていた。高等学校のときでも、訪ねて行くと案外快く会ってもらえたことを憶えている。それにあまり説諭とか、訓戒をしてくれる人がいなかったので、よく伺った。すると「いまは何を読んでいる、どんなものが面白い」などという風なことを聞いて、可愛がって下さった。弟さんの三木篤次郎君や、潤三郎君などのまだ小さいときであった。

森さんという人は、私どもには大きな影響を与えた人であった。露伴さんの方が長生きでもあり、付合いも長く続いたけれども、この人ははじめから高いところにいる人だと思っていたためか、あまり影響を受けなかった。