Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
田山の小説に現われた自然主義というものは、文学の歴史からみて深い意味のある主張ではあったが、右の二つの実例のような悲惨な内容の話に比べれば、まるで高の知れたものである。
そんなわけで法制局の資料から見出した二つの悲劇が、私の心の底に溜っていて、何時かそれを世に知らせたいという気持を持ちつづけた。それで朝日新聞に書き、さらに『山の人生』という本を作る時、その序文のような形で、これを一番最初にもってきたのである。
田山にとって、この二つの事件は落第だったけれども、他に少なくとも四つか五つ、私が特赦の取調べで知った珍しい知識を、田山の方で採入れて自分の小説のたねにしたものがある。記憶している話の一つに『葱一束』というのがあった。一寸したことから大きな犯罪になるという話である。その記録を読んで、私が興奮している時に、田山から何か話はないかと聞かれたので話してやったものである。『一兵卒の銃殺』というのも、日露戦争の前後に私がたねを提供したものであった。
自然主義の作家は、極くあり得べき事柄が、すうっと妙に展開してゆくのに興味をもち、それを自然に書いて喜んでいたものであった。