Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
それを聞いて若い私は大いに尊敬の念を抱いたものであった。
お母さんが若くていい人で、二人の妹があった。夏休みには必ず会っていたが、そのうち、布川で長兄一家が厄介になっていた家主の小川さんの孫娘を妻君に貰ったので、かえってこちらの方できまりが悪くなって、あまり会わなくなった。この小川の小父さんは四十そこそこで若死して、後は大変難儀をしたらしい。その娘が海老原という家にお嫁に行って産まれた外孫が、岡田君の細君になったわけであった。
晩年の岡田君の世話をしていたのは、甥と老妹夫婦とであったが、どちらかというと寂しい生活であったようである。甥というのは家業を継いだ兄の子で、やはり岡田君と同じ気象学の方に進み、気象台の布川出張所の所長をしていたから、叔父さんの世話をしやすかったのであろう。
とにかく播磨から出た人で、関東に落着き、正式に播磨屋と名乗ったのは、私の知っているところではこの岡田君の家だけであった。父の代に来たのだが、どうして来たのか聞こうと思いながら、そのままになってしまった。お母さんは純然たる江戸っ子で、じつに綺麗な江戸言葉を使っておられた。