Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
井上の兄もその派だったが、どこでも「日本新聞」に働いている人たちがいちばん勢力があった。そのうちでも好き嫌いがあって、落合直文とか小中村(池辺)義象などが仲間で、その連中が牛耳をとっていたらしい。兄は集まりから帰って来ると、少しほろ酔い加減で、会合の時の話や、逸話をいろいろと聞かせてくれたので、そんな所から、私の文学に対する野心といったようなものが生まれ出たわけであった。
蘆花さんの方は、まだ『不如帰』も書かず、いろいろの西洋の小説を翻訳したりして、ずいぶん若かった。私は偶然なことから若いころの蘆花さんを知ったが、それは蘆花さんのお母さんが眼をわずらって兄の医院にかかり、蘆花さんが薬をとりに見えたことからだった。その時ちょうど居合せた私が取次いで、蘆花さんを知ったのである。
葛城邸の、兄が借りていた正面の部分からいって、左の方に区切りがしてあり、そこをぬけて入ると、小さな借家が一軒あった。ここにいたのが随筆家の遅塚麗水である。母堂と弟二人の四人暮しであったが、家同士の交際があったらしく、幸田成友さんやその妹さんたちがよく来ていたそうである。「報知新聞」