Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
びっくりしたのは、沖縄のことを少し調べたいと思って知人に相談したところ、大蔵省の倉の中に地方から集めた本が非常にたくさんあり、その中に、奄美大島の記録がたくさんあった。もちろん明治になってから写したり、集めたりしたもので、まだ内閣文庫に入れない本である。昔の人は用がないので、悪くいえば、何をしていいかわからぬ人が多かったので、人をたっぷり使って写本をやらせたものであろう。
私は本のことではずいぶん苦労したが、いちばん最後が内閣文庫であった。もう少し長くいたら、いろいろ私なりの考えの仕事があったが、何分兼任だったので、早くここと別れてしまった。
この尨大な記録類の中に入ってつくづく思ったのは、書物というものは一生かかっても見終ることはないということであった。
農政などでも田制、土地制度など、藩によって違うが、江戸時代に始まったものはなく、何れももっと旧いものである。それらの制度や慣例の違いを、書物だけで学ぼうとしたら、一生かかっても足りない。そこで我々の今している学問が必要になるわけである。要点をつかみ、それを実地に即して調べて行く方が、文献だけを漁りまわしているよりは効果がありはしないかということを、書物に埋もれた結果、私は考えたのである。