Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
そして細君を通じて、「何れ、こちらから伺う」という返事であった。夕食を済まして大分経ってから、もう来そうなものだといっていると、女中がいえもう見えているのです。しかし初めての人に会うのはきまりが悪いからといって、帳場で酒を飲んでいらっしゃるのですという。そのうち、すっかり酔っぱらってやって来た。少し酒が入ると面倒になるらしく、松本を見て、こいつの親爺は知っている、松本荘一郎で、いつか撲ったことがあるというようなことをいい出した。よく撲ったという癖があるらしいが、松本はただ苦笑いをしていた。感心なことには、いつまで飲んでも同じことは一回もくり返さなかった。しかし、このときは、大切な学問上のことは何もいわなかった。
一晩しか泊れないので、翌日挨拶に私一人で行くと、細君が困った顔をしている。そして、僕は酒を飲むと目が見えなくなるから、顔を出したって仕方がない、話さえできればいいだろうといって、掻巻の袖口をあけてその奥から話をした。こんなふうにとにかく変った人であった。年百年中、裸で暮していた。
私とつきあっていたころ、一生懸命になって奔走していた仕事に、紀州地方の神社が合併になってその廃社になった方の神域の大木がどんどん伐り倒されることを大変に憤慨して、それを取りやめる運動をしていた。