Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
辻川で松岡の次に多いのも鈴木であった。昔あった職員録などを繰ると、東北から九州までいちばん多いのが鈴木であった。
鈴木姓は多く重の名乗りをつけるが、旗本の中にもある。「春は花咲く青山へんに、鈴木主水という武士が……」などという有名なのがあり、紋所はみんな「稲の丸」である。穂積氏も鈴木一家で、陳重先生も若い頃は鈴木といっておられた時期があった。仙台の方にもご親類があって、鈴木男爵といって伊達家の家臣であった。先生の方は宇和島の伊達家に仕えられた家である。
美作の山の中にも他とかけ距った鈴木姓があって、外へ出ないでじいっとしていた。いつか三百年祭か五百年祭かの先祖祭をするというので、当時岡山にいた井上の兄に、「祝の歌」を詠んでくれといってきたことがあった。兄の歌は、
なかなかに世に離れしや花すすき末開くべき基なりけむ
基だったかしるしだったか、はっきりしないが、美作あたりに行って詠めば、非常にいい歌だったのであろう。ところが、到る所にこういう飛び離れた鈴木がいて、前にもふれたが、それがもとはみな紀州から出たことが判った。辻川などは、氏神様の左寄りの林の中に、鈴木姓だけの墓地があったが、今はどうなったであろうか。