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Japanische Klassiker mit Furigana

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こきょうしちじゅうねん

故郷七十年

柳田 国男

Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme

Aozora Bunko

この点で洗足より多いのは、菖蒲谷という地名である。事実そこに菖蒲は生えているが、それだけでおこった地名ではなさそうであって、たいてい、川の上流の山に入った辺の静かな寂しいところである。私の考えでは、どうも人間の埋葬に関係のある地名のように思われる。それと似たような地名は全国の隅々にあって、なかなか説明しがたいものが多いが、洗足もやはりそれに類した地名の一例ではなかろうかと考えている。他にも、昔の葬地の跡かと思われる地名が五つも六つもあるが、これをよく調べてゆくと、日本人の昔の葬法、屍体を葬った形が見つけ出せるのではなかろうか。洗足は千束と書いた方が多いが、全国におかしいくらい広い区域に亘ってこの地名がある。

日本人は魂を大事にする割には、体を非常に軽く見る傾きがある。魂の方は何遍でも形を変えて生れて来るが、体は極端なことをいうと、その場限りでなくなってしまうような気持があるのではないかと思う。古い葬法もまずこの信仰を考えなければならぬ。あとに木地屋の話をするが、彼等の葬法は崖の川に迫った、やはり洗足みたいな所へそっと死骸をおいておくというのである。