Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
ところがその晩おそくなってから隣家に母親と泊っていた子供が、急に大声で泣き出して、どうしても伊良部村へ帰ろうという。夜半だからといって、母親がいろいろとなだめすかしてもいっこうにきかず、ますます泣き叫ぶのだった。仕方なく、母親は子供を抱いて外に出ると、どうしたことか、子供がしっかりと母親にしがみついてふるえている。母親もどうしたのかと怪しく思っていると、遠い沖の方から、
ヨナタマ、ヨナタマ、どうして帰りが遅いのか
という声が聞えて来た。すると隣家の炭火の上で背中を炙られていたヨナタマが、
今、炭火の上にのせられて半夜も炙り乾かされているのだ。早く迎えをよこしてくれ
と答えていた。これをきいた母子は吃驚仰天し、恐しくなって伊良部村に帰った。翌朝、昨晩の村へ行って見ると、一夜のうちに大海嘯にのまれて、村中跡形もなく洗いつくされていた。母子だけはどういうご利益があったか、その災難を免れたという話である。
ヨナタマの罰を受けて村中が流されてしまったというのは、ヨナタマは海霊で、すなわち海の神の罰を受けたということである。このヨナタマから、ヨナが海という言葉と同じではなかろうかと思うのである。