Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
それで手本に描いたものとか、慰みに描いたものとかを集めて、北斎漫画という名にして出版したのである。十五冊出ているが、じつに面白い本であった。十二冊目がとくに面白く、これは本当の漫画集であった。どこも笑わずにはいられないような、おかしい絵ばかりが集められているのだ。例えば八卦見が、頭巾を冠って仔細らしく人相見をしているのだが、それがもっともらしい顔をして、天眼鏡をかざしている。その向うに綺麗な女の人がいて、その美しい顔だけが大きく拡大されて写っている。そんな馬鹿げた絵ばかりがいっぱい集められていた。今でもどこか図書館には保存されているであろう。私はその話をするだけでもおかしくなって仕方がないほどである。
この北斎漫画は、幕末の混乱期を経たにもかかわらず、偶然にも名古屋にその版下が残っていたのが発見せられた。東碧堂、片野という本屋で、後にはいろいろの本を出したが、ここに原版が残っていたので、もとの体裁でわりに安く売り出したことがある。たしか明治も二十一年か二年であったから、もう版はなくなってしまったかもしれない。
本はたくさん読んだが、不思議に私の家は本の少ない家であった。