Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
また、大師は子供が多くて、貧しかったので、二十三日のお粥に入れる塩がなかった。それを買いに出て吹雪のため途中で倒れたので、この日だけは供えるお粥に塩を加えないという地方もある。十一月も太陰暦では、すでに天候も悪く、雪も降り、夜は寂しい季節であってみれば、囲炉裏端では話がしきりにはずみ、さまざまに形を変えて作られていったものであろうと思われる。
兵庫県も但馬の村々では、この霜月三夜には、山の獣らが山を下って来て、この晩の祭をするといういい伝えもあった。
岐阜県の加茂郡という所は、真言宗は少なく、禅宗の寺が多いにもかかわらず、大師堂というのがある。土地では弘法様をまつってあるといって寄り合いをしているが、それがやはり十一月の二十三日に当っている。もと神戸大学の教授だった佐野一彦氏がその付近の伊深村に住んでおられて、居村の事情を非常に詳しく報告されたものがある。
さてタイシというのは、長男、長女を意味するオオイコのことであって、漢字をあてると大子となるが、われわれの祖先は耳でダイシときいて、弘法大師や元三大師などを想像していたのも、おこりはやはり尊い神の御子ということであったのかもしれない。