Classici giapponesi con furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate
浅草田甫の酉の町
年中行事の酉の市、この市は深川にも四谷乃至巣鴨にもあるが、どうしても浅草に落を取られる。よし原という景物があり、廃娼問題も起らぬ明治中期の全盛時代、鷲神社には相済まぬが、酉の町を付けたりにして大ビラに吉原見物、水道尻の非常門が開いて老若男女、足は自然に廓内へ向う。
イの一番に飛び込む信心の輩は、前夜から大鳥神社の門前に頑張る、今の野球ファン以上。これに反して吉原信仰の面々は当日の夜、宵のうちから十時十一時頃が大変、各楼の格子先は雪崩れを打って、熱狂の喚声不夜城を揺がす。こんな騒ぎを景物にして浅草の酉の町は年々歳々たいした人出、公園裏から田甫を越して吉原の灯りが見えた時代で、今日とは人種が違うようなのん気さがしのばれる。
その頃、公園を抜けてすぐ千束町を左に折れ、一、二丁行くと田甫道、狭い通路をもまれて行く。両側は隙間なく葭簀張りの売店、声を限りに呼び立てる喧ましさ、その中でスリだ、喧嘩だ、と群衆は逃げ惑う。悪くすると押されてあぜ道を踏みはずし、泥田に足を突っ込むなど全く災難。今日のあの辺では夢にも見られぬ風景だが、古風な酉の町などにはむしろこんな殺風景もかえって相応。