Classici giapponesi con furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate
唐桟ずくめの九郎翁
明治の芸界には幾多の名人上手がそろっていて、能界には宝生九郎、梅若実、桜間伴馬、梨園には団十郎、菊五郎、左団次、団蔵、そのほかの各方面とも、それぞれ名人級の人々に乏しくなかった。その中で折紙付きの名人といわれたのは、宝生九郎、九代目団十郎及び三遊亭円朝の三人であった。私は偶然それらの人々に接する機会を得て、当時会見した印象が残っている。それによって多少ともその人のおもかげを伝えたいと思うのである。
唐桟ずくめの九郎翁
格式といい技能といい当時芸界最高の地位にあった宝生流宗家九郎翁は、全く名人の風格を備えた人であった。それだけ芸道にかけては厳格な態度を守っていて、翁の演能に対しては何人もえりを正して見物した。
翁は晩年深川平野町へ新築移転したが、その前ひさしく木場の吉永町に住んでいた。材木堀に沿うたあまり広くもない家であったが、立派な煉瓦の蔵がついていた。家重代の品物が納まっていたのであろう。私は芸談を聴く目的で翁を訪うた。そのころ私は同じ木場におったので、早朝訪問すると、すでに翁の朗々たる謡声が門外にまで響いていた。内弟子のけいこである。玄関の三畳に待っていると、やがて謡がやんで提煙草盆と長煙管を手にした翁が現われる。