Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじせそうひゃくわ

明治世相百話

山本 笑月

Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate

Aozora Bunko

漢方時代のお医者様

漢方時代のお医者様

手品のような薬の調合振り

松本順、池田謙斎などの諸先生の出るまで、お医者はすべて漢方の世界、手前どもへ見えたのは小川先生といって、当時若手の代言人で令名ありし小川三千三氏のお父さん、お約束の黄八丈に黒のお羽織、供の男に薬箱、診療が済むと件の薬箱を取り寄せて手ずから調合。

それがまた鮮やかなもの、悠々と萌黄真田の胴締を解き、黒繻子の風呂敷を開いて桐まさの薬箱、四段抽斗、一番下から銀のさじに銀の文鎮、四角に切った紙を箱の上に八、九枚、上の抽斗に行儀よくしまった袋入りの草根木皮を三、四種、順々に取りだし、銀のさじで少しずつ盛ってゆく手際は、まったく見事で我々子供ながら面白く、いつも傍へ畏まって見物した。医者は医者でも薬箱持たぬという先生とは違う。

いま一人は小川先生とは肌の違った村岡先生(村岡応東画伯の先考)、大の菊五郎びいきですこぶる通人、身装もぞろりとした小紋縮緬、古渡り更紗の下着というこしらえ、旧幕御殿医の一人とあって大した権式、「おれの薬をせんじるなら銀の湯沸かしに限るよ」と厳命、それで書画骨董に目のないほどの数奇者、「うん、この軸はいいなあ文晁かい、安くねえな」