Classici giapponesi con furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate
財布に入れて懐中などは思いも寄らず、三両五両となると叺に入れて三泣き車に載せて行く。親父の留守にドラ息子が持ち出そうとしても精一杯で一円余り、この点は安全第一、とはいうものの、当時天保三枚あれば、平民どもは奥山あたり一日ブラブラして昼飯を食って悠々と遊べたものだ。
街の子たちは天保銭を貰うと威勢が違う。橋の袂や横町にあった番太郎、火の番かたわら駄菓子など売る家へ夢中で駆け付けて、さあなにから食おうと菓子箱を睨め回す。菓子はミジン棒に豆捻じおいち、ねじ金、兎の糞、カヤの痰切れ、鉄砲玉、なんでも買えるぞと日頃の鬱憤を晴らすつもり、乃至は軒先の縁台に据えた火鉢でお手ずからのボッタラ焼き、友達にも買ってやって夕方までは天保一枚で大御機嫌。
蕎麦はモリ、カケ八厘が相場、湯銭も大人八厘、八百屋乾物屋にもひとやま一袋八厘の札が見え、縁日の玩具屋前通りは八厘、そのほか夏の氷水、ところ天、冬の甘酒、飴湯まで、たいていは天保本位、銅貨の一銭より大きいだけに、欲のない連中はこの方へ手を出したが、とうとう明治の十九年限りで通用禁止、その後は全く古銭扱いだが、今見るとよくもこんな無器用な恰好の銭を調法がって持ち歩いたものだとつくづく感心。