Classici giapponesi con furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate
なにぶん狭いので失礼ですが、とそのままそこへ坐る。
背の高い痩形の老人、藍縞の唐桟の上着に同じ羽織、黒の前掛をした姿は舞台で見る黒紋と違って、私はちょっと意外に思った。が、翁は平素こういう身装が好きらしい。やはり江戸ッ子の一人である。しかも、きちんと端座して、長い話の間少しも膝を崩さないところに翁の本色が現われていた。その芸談はじゅんじゅんとして尽きない。いずれも斯道の訓言であったが、私は今ここに芸談を紹介する余裕がない。
「謡曲がいかに流行しても、それで能楽の隆盛ということは申されません。謡を習って、能を御覧になるのは、ただ謡の参考というに止まって真に能を味わう人は誠に少ない。能の位とか心持とか型とかいうものを一々見分けるにはやはり観方の御修業が要るのですが、お謡のけいこぐらいでは、まずそこまで観て下さるわけには参りません」といった調子で、少しも歯に衣着せず素人をこき下す。
翁はずっと以前から素人のけいこを断って、主筋たる徳川家と、かつて世話を受けた安田家一門のほかは一切けいこに応じないくらいである。そんな暇があれば玄人の教育にもっと努力せねばならぬ、という主張にもよるのであった。