Classici giapponesi con furigana
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めいじせそうひゃくわ
明治世相百話
山本 笑月
Leggi 明治世相百話 (めいじせそうひゃくわ) di 山本 笑月 (やまもとしょうげつ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 128.862 caratteri · 251 schermate
下手が動いたとて決して面白いものではない。早い話が団蔵の芝居などは、動かないでいて云うにいわれぬ妙味がありますからね。団十郎もその通り。私は菊五郎とは至って懇意にしておりますが、技芸上の苦心は同じことです」と、さすがに腹芸の家元だけあって一脈相通ずる。
翁の謡は実に朗々として、音声の立派さと息の強いしっかりしたところは、あのやせた人に不似合いである。もちろん名人のことであるから当然の話だが、翁に聞いてみると、「私はやせて腹が薄いですから、謡はかなり骨が折れます。ですから舞台に立つ時には、いつも小さい蒲団のようなものを腹へ当てて帯を締めます」と。名人にもそれだけの用意のあったことはちょっと素人の知らぬ話、その素人を相手にして二時間近くの芸談を聴かせてもらって同家を辞した。内弟子のけいこを中止して快く迎えられた翁の親切を私は深く感じた。
七十七歳の時、日本橋クラブに翁の喜寿祝賀会が盛大に催された。松本、野口両氏の番ばやしがあって、矢の倉福井楼での宴会。二百七十名の来会者が大広間に居並んだその正面に、黒紋付の羽織袴に端然と構えた翁の姿、さながら能面の如く気品ある容貌、今なお眼前に彷彿する。