Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
「殿、さようでござりますとも。……この平助の希望とするところは、ロシアの南下を防ぐにありまして、今日のままにて打ち捨て置きましたならば、カムチャッカの者は蝦夷と合し、蝦夷もやがてはロシアの勢力に……」
「あやまる、平助、今夜は止めてくれ。……今夜は飲んで遊ぶ晩だ。……それにしても世間には馬鹿者が多いぞ。わしがお前や松平摂津の――摂津も死んでしまったのう。目先の見える偉い奴は、早死にするか殺されるか、寿命が少いのでわしには悲しい……その摂津などの意見に基づいて、開国貿易しようとするのを、密貿易、抜け荷買いなどと、誹謗する者があるそうじゃ。……わしはな外人を自由勝手に、内地に住ませてやりたいのだ。大船などもドシドシ造って、海外へ出してやりたいのだ。外国の技術、外国の知識、こいつはどうあろうと取り入れなければならぬよ」
この時築山の向こう側の、こんもりと豊かに盛り上がっていて、丘のように見える萩の叢の横へ、弁慶姿が現われた。
意次へ仮面の眼を注ぎながら、気付かれぬようにソロリソロリと、次第次第に近寄って来た。
と、意次の背後の方に、少し離れて佇んで、警護するように九十郎がいたが、その九十郎を狙うように、漁夫と熊坂とが九十郎の背後の、糸杉の蔭から現われて、こっちへ徐々に近寄って来た。