Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
十
と外伝は人を分けて走った。
十
こうして勘助は冬次郎様の、隠れ家の方へ走って行き、外伝は貝十郎達の後を尾行けた。
それとも知らない貝十郎達は、行くに従って人数を増し、混乱いちじるしい巷を分けて、車塚の方へ歩いて行った。
その後を尾行けて外伝も行ったが、辻や曲がり角や木立や門に、紙だの藁だのを蝶の形に、目立たぬように結びつけた。道標の符牒なのである。
お浦の在所はわからなかった。それが貝十郎には苦になったが、失望もせずに先へ先へと進んだ。
うらうらと晴れた春の空、正午に近い明るい日光、しかし東北の山脈を抽んで、厳かに聳えている浅間山からは、いつも三筋に立つ煙りが、噴出の量多いためか、一つに集まり束となり、下界の人畜を怯やかすように、時々鳴動と地揺れとを伴い、先広がりに上がっていた。
青味を帯びた粉のような灰が、絶ゆる暇なく降って来て、眼にはいり鼻にはいり、道に薄く積もりさえした。
二里の道程を歩み尽し、鳳来川の岸へ出た。
此方の岸には武器をたずさえ、武装した藩の武士たちが充ち満ち、対岸には百姓一揆の大衆が、莚旗や神社の幟や、節句に用うる吹き流しをさえ立て、時々威嚇的に喊声をあげたり、竹法螺や法螺貝を吹き立てたりした。