Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
十二
ムッツリといつまでも黙り込んで、考えているのは当然といえよう。
が、しかし彼としては、もうこの話を聞いた時から、兇悪の心で大体のところは、こうと定めているのであった。
(三人ながら眠らせてしまおう)
範之丞はいうまでもなく、織江もお吉も殺してしまおう!
「司馬氏」
と九十郎はいった。
「服部兄妹を貴殿屋敷へ、誘き入れられたご好意については、九十郎お礼申す。そこで……」
とここで一考えしたが、
「とてものことに該二人を、湖畔へ誘き出しくださるまいか」
「いと易いこと」
と又助はいった。
「が、湖畔でどうなさるな?」
「ぶった切って水葬礼、一切後腹やめぬよう、湖へ沈めてしまいましょう。……櫛木氏」
と団八を見た。
十二
「貴殿にもお吉を湖のほとりへ、今夜誘き出してくだされい」
「よろしゅうござる、よろしゅうござる」
引け目があるので櫛木団八は、一も二もなく引き受けていった。
「拙者かならず引き出しましょう。……が、まさかお吉殿を……」
「何んでござるな」
白い眼でジロリ、九十郎は団八を睨んだ。
「まさかお吉を……何んでござるな?」
「ナ、何んでもござらぬが……従来親しく連れ添われた婦人……まさかに、まさかに……のう」