Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

十三

ひそかに談合し、田沼めを殿中にて刺さんものと、よりより企ておるとかで、性来臆病の彼意次、病いと称して出仕せぬそうじゃ」

「そればかりでなく噂によりますれば、稲荷堀の屋敷にいることさえ、生命の安危心もとなしと、いわば替え玉を屋敷にとどめ、自身はどこへか姿をくらましたなどと……」

熊太郎はそういった。

「うん、そのような噂も聞いた」

この時襖がしずかに開いて、番頭がつつましく顔を出し、

「ご来客にござります」

といった。

「わしに来客、誰であろう?」

「殿、私にござります」

番頭の背後に立っていたのは、意外にも十二神貝十郎であった。

十三

「貝十郎か、さてもさても」

冬次郎はそういった。

まったくさてもさてもであった。

何かしら事件のあるごとに、必ずあらわれる男ではあったが、このような信州の旅の中に、あらわれて来ようとは冬次郎にしても、夢にも思いはしなかった。

それだのに現われて来たのである。

まったくさてもさてもであった。

貝十郎は例の悠然とした態度で、が、しかし貴人に対する尊敬と慇懃の態度は崩さず、部屋へはいると末座へ坐り、一別以来の挨拶をした。

白け渡ったというほどでもないが、逃げ水屋敷で遺憾ないまでに、こっちの計画の邪魔をされ、せっかくとらえたままごと狂女をさえ、途中でかれの部下白須源吾のために、取り返されてしまっ