Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

五

そういうと無礼にも一人の浪人、織江の腰の辺をドッと蹴った。

「む!」

瞬間、九十郎の右肘、胸の上まで上がったと見るや、

「ヒェーッ!」

悲鳴!

キリキリと独楽!

一本足でブン廻り、二、三間反れて飛んだかと見えたが、ダーッと草の中へぶっ倒れ、浪人はそこでノタうった。

腰のつがいからぶっ放された、表皮を剥かれた丸太のような脚が――一本の脚が、逆の方向の、これも草の中に投げ出され、足首が剽軽に動いていた。

魅入られたんだ!

引っ込まれたんだ!

不愍の馬鹿者、二人の浪人――

「おのれーッ」

と左右から切り込んで来た。

「…………」

中間を突き抜けた九十郎、

「うふ!」

薙いだ!

はいった刀身! ――一人の浪人の股の付け根へ、たっぷりとはいった刀身が、背後の方へ提灯の灯に、ギラつきながら抜けて見え、それを基点に飴のように、浪人の体が曲がって見えた。

それも一瞬、九十郎の片膝、地へ折り敷いたと思ったが、地面と水平に水のように、刀身、電光! 素走った。

悲鳴! それから叫喚混乱! それが明け近い曠野の上に、森や林を背景にし、ひとしきり展開ったがやがて止み、雨にぬれ足に踏まれしどろに乱れた、芒や萱や藺草の中に、三本の脚がころがってい、三人の負傷者が半分死んで、それが捨てられて燃えている、提灯の灯影に蠢いてい、その傍らに血刀をさげ