Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

一

――偽わって事情をそう話した。

お吉も自分が私娼であり、悪侍臼杵九十郎の、妾であったということなど、明かす苦痛に堪えられなかった。で、旅稼ぎの女芸人、一座に不平のことがあって、一人脱け出して湖水を船で、対岸へ渡ろうとした際に、あなた様のご難儀を見、お助けしたのでございます。名はお玉とこういうようにいった。

お玉のお吉と伊織の範之丞とは、その夜平野村の百姓家を起こし、頼んでそこへ泊まり込み、まず何より伊織の範之丞の、介抱にあらゆる手をつくした。

その家に二人は数日泊まった。

その間に二人は各※(二の字点、1-2-22)別に、人を使って高島城下の、九十郎や織江の様子を探った。

司馬又助が殺されたこと、九十郎や織江がいなくなったこと――そういうことが解って来た。

(妹織江どうなったことか?)

伊織の範之丞にはこのことが、何よりも一番心にかかった。

又助一味の悪侍どもに、担がれて行ったことは確からしい。が、それからどうなったか? 殺されたかそれともみじめな身の上で、今もなおこの世に生きているか?

(生きていてくれ! 生きていてくれ!)

このことばかりが願われるのであった。