Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

十四

「…………」

「その風まるで男じゃアないか」

「ナールほどね」

「それがもう悪い」

「…………」

「女がそんな返辞をするか」

「あ、なるほど、それじゃア『あい』」

「行きな」

「あい」

「アッハッハッ」

勘助の姿の見えなくなった時、気絶から甦生ったお吉を肩に、九十郎がさすがに取り乱した姿で、門口まで来たが貝十郎を見ると、

「お、これは十二神様!」

驚き呆れ当惑したようにいった。

「どうなされた平戸氏」

貝十郎も少し呆れていった。

「いや酷い目に逢いましたよ」

いったが九十郎は貝十郎の背後に、織江が立っているのを見て、再度驚き当惑したようであった。

十四

田沼殿のお手へ渡さなければならない、その織江を自分の妾宅へ、止めて置いたのを貝十郎のために、発見されたということが、九十郎には痛かった。それで当惑したのであった。

そういう心持ちを見すかされまいと、九十郎は忙しくいった。

「いや隣りの化物屋敷で、まこと酷い目に逢いましたよ。これが化物、ままごと狂女の、お浦という奴に斎をやろうと、膳を持って参りましたところ、女やら男やら見当のつかない、変な奴が飛び出して参り、これを一あてあてましたそうで、……」