Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
十七
「貝十郎オーッ」
と意次は、刀へ手をかけ吼えるように叫んだ。
「お浦はどうした※(感嘆符疑問符、1-8-78) いかがいたした※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「や、殿!」
と思わずいい、貝十郎は足を停め、連れている織江を背後にかばい、当惑したような様子を見せた。
「冬次郎の配下に奪われたと、たった今しがた注進があった。事実お浦奪われたか※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「門外において奪われました」
貝十郎は率直にいったが、その声には恐怖も狼狽もなく、何らかを信じているような、泰然としたところさえあった。
が、意次にはそれがかえって、図々しく太々しく思われた。
「汝が汝が貝十郎! お浦がいかに大切かを、知悉しいながら奪われて……しかも敵手の冬次郎の手に、この門前において奪われて、恥じ入らぬばかりか横柄の態度! ……さては汝この意次の失脚失意の境遇を見て、心変りしたな不忠の姦物!」
刀に反を烈しくうたせ、足先で地を噛みジリジリと進んだ。
「お浦こそ冬次郎様に奪われましたが、その代わりといたしまして、これなる婦人を手に入れましたれば、勝負は五分五分にござります」