Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
十四
と、その時女勘助によって、介抱されていた服部織江は、ようやく元気を回復したが、見れば車塚の廃屋で、自分の危難を助けてくれた、お浦が門際に立っていた。
「おおおお、お浦様!」
と懐かしさに呼び、思わずそっちへ走り寄ろうとした。
するとお浦も優しい人として、記憶に残っていた織江の姿を、トロンとした眼にも認めたらしい。貝十郎の手をふり切ると、
「織江お姉様アーッ」
と呼びながら、織江の方へ走り寄った。
素早く見てとった冬次郎、
「外伝、新助、ソレお浦を!」
声に応じて走り出た二人、お浦に飛びかかると引っ担ぎ、まだ散り残り入り乱れている、うちこわしの暴徒の群衆の中へ、さながら韋駄天走り込んだ。
「南無三!」
しかし貝十郎も敏捷、飛びかかると織江を引っとらえ、門内へ駈け込むと大音声、
「門とじめされ! ……用意の武器を!」
間髪を入れず大門とざされ、閂のはいる音聞こえ、すぐに土塀越しに高張り提灯、抜き身の槍、薙刀ばかりか、火縄に火入れし鉄砲十数挺、威嚇的に差し出された。
「妹ヨーッ」
と範之丞、仰天して門へ走り寄り、扉にとりつき声をしぼった。
「お兄イ様アーッ」
と織江の声、門の内より応じて悲しい。