Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

と叫んで貝十郎は走って行った。

つづいたは二人の同心であった。

と、その時一人の女と、二人の男とが走って来て、家治とお浦とを舁き上げた。

「外伝と……新助と……勘助か……あいつならいい、任せて置け。……いやならぬ、お浦だけはならぬ! お浦だけは取り返せ! 白須氏、お走りくだされ!」

貝十郎はこういったが、気がついて振り返った。

「しまった!」

と叫ぶと走り返った。

「桐島氏! 桐島氏! ……殿を、殿を、ご介抱!」

その殿田沼意次へ、追い迫る冬次郎の姿が見えた。

金剛杖に仕込まれた刀が、長く高く上がったのが見えた。

「エーイ!」

と声を長く引き、貝十郎は何か投げた。

両端に分銅を持っているので、堤宝山流の投げ鎖は、深紅の空でらず曲がらず、一文字の姿で飛んで行った。

「姦賊! 田沼!」

と冬次郎は、振り冠った刀で肩をズーン! が、刀はグラグラと揺れ、狙い狂って空を切った。

鎖が刀身に搦みついている。

道中人さまざま

一

追いついた範之丞と織江とが、

「今度こそ遁がさぬ、九十郎オーッ」

「お父様の敵! ……重なる怨みイーッ」

と、左右から切り込んだのはこの瞬間であった。