Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

「…………」

「やはり城内の奥の女子が、病気で帰るのでござりましょう。大熱往来いたしおるため、譫言申したのでござりましょう」

「これをお前から越中へ――定信の手へ渡してくれ。……妾から渡すのでござりますのね。――とこのように申したというのか?」

「さよう申してござります」

「越中……定信……というからには、われらの盟主桑名侯、松平越中守定信侯、このお方以外ほかにはない」

「…………」

「変だな」

と云って冬次郎は、既に遙かに行き過ぎた駕籠を、振り返り見送り考え込んだ。

(駕籠の中の女、何者であろう?)

(何を渡せというのであろう?)

「戸ヶ崎、あの駕籠を従行けてみよう」

冬次郎達は引き返した。

脇本陣からかなり距てた、本陣柊屋の門口へ、新助や外伝が来かかった時、その玄関から二挺の駕籠が、多勢の供人を従えて街道へ出、下諏訪宿の方へ向かった。

「おい新助、大変な奴がいるぞ」

供人の中に貝十郎の配下、白須源吾と桐島伴作、二人の同心のいるのを見て、外伝は驚いて囁いた。

二

「ナールほど、こいつア変だ」

新助も唸るように云った。

二人ながらこれまで二人の同心には、いためつけられたり目こぼしされたりして、ご厄介になっているからであった。