Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

だから何んともいえなかった。

(積極的施政家開放主義者、そう思われるこの殿さえ、その考えから出られぬものと見える)

寂しい気持ちがするのであった。

二人はしばらく黙っていた。

高原塩尻の三月であった。朝の気は部屋に冴え冴えとしていたが、寒くて襟が掻き合わされた。

社家家宝の雪舟筆の、豪宕の唐風景を描いた屏風が、二人を囲って立っていたが、墨色さえ寒く感じられた。

(ひとつ横から突いてみよう)

こう思って貝十郎は何気ないようにいった。

「享保年間に田中丘隅様が、このように申しましてござります。『それ百姓というもの、元来性癖にして凄まじきものなり。集まる時はよく城を守り、散ずる時はよく郭を破る。党を結ぶにおよんでは、金銀珠玉を顧ずして身命をかえりみることなし』と……恐ろしいものにござりまするな」

「さようさ」

と意次は横を向きながら、

「だからどうしても瞞さなければいけない」

四

(瞞す! ははあ、凄いことをいうぞ! この殿らしい凄いことを!)

で貝十郎はニヤリとした。

そうして何んともいわなかった。意次もしばらく黙っていたが、

「いわせざる、聞かせざる、知らせざる! 彼奴らに対するやり口じゃ……知らしむべからず、拠らしむべしじゃ」