Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
元の座敷へ一旦帰り、地袋から朱塗りの雪洞取り出し、火を点じて廊下へ出た。
つづいて冬次郎も刀をひっさげ、廊下へ出て熊太郎と並び、広い廊下を奥の方へ進んだ。
と、行手から足音が聞こえ、こっちに向かって近寄って来た。
「殿」
「戸ヶ崎」
「こちらへこちらへ」
左側の部屋の襖をあけ、二人ながらはいって襖をとじた。
それとも知らぬ曲者であろう、襖の前を通り抜けようとした。
踴り出て熊太郎グッと一あて! 他愛なくぶっ倒れた。
「殿、燈火を! ……や、清三郎めか!」
燈火に浮き出して気絶しているのは、熊太郎の弟子の清三郎であった。
厠などへ行っての帰りらしい。
二人は苦笑し顔を見合わせた。
「熊太郎こやつが曲者か?」
「滅相もない、こいつは馬鹿で。……今も曲者は奥へ奥へと、進み行きおりますでござります」
「追おう。が、清三郎は?」
「うち捨て置きましても夜の冷気で、蘇生りますでござります」
二人は廊下を奥へ進んだ。
と、廊下の左側の部屋の襖が一枚開いていた。
「戸ヶ崎これは?」
「ともかくもはいって……」
はいった二人はギョッとして立った。
抜き身が畳に突きさしてあり、雪洞の光に刀身輝き、虹をさえ吹いているではないか。