Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
だの、『お勝手箪笥』だの『献上箱』だのを利用し、女を献じた経験もあるので、得たりとばかり家来に命じ、織江殿が外出されたのを窺い、かどわかして屋敷へ連れて参り、昨夜駕籠に乗せて田沼のもとへ……」
「ははあさようでござりましたか。……それに致しましても越中守様は――さよう松平越中守様は、ご三卿のお一方、田安宗武卿の御子にましまし、桑名十一万石のご当主の御身、田沼ごときに抑えられ、家臣は殺されその娘はかどわかされ、しかも下手人の九十郎を、引き渡すよう掛け合われても、みすみす田沼に虚言をいわれ、どうにもならず引きさがるとは、腑甲斐なき儀ではござりませぬかな」
聞いただけでも腹が立つと、そういったように熊太郎は、冬次郎へ食ってかかった。
「駄目駄目、それが駄目なのじゃ。……彦根中将井伊直幸殿、侍従松平康福殿など、いずれも田沼の上席におわし、田沼を取って抑ゆべきを、かえって田沼に取って抑えられ、手も足も出せないでいるほどだからな。……越中守殿の現在では、田沼を取って抑えるどころか、楯つくことさえ出来ないのじゃ」
「大変な勢力でござりまするな」と、熊太郎は嘆息するようにいった。