Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
と疾風! 斬りつけた。
瞬間ヒューッと投げられた器物!
雪洞にあたって消えた燈の後、土蔵内倍する闇となった。
と、不思議や土蔵の扉、自ずと閉ざされビーンと錠!
朗らかに笑う貝十郎の声が、すぐに土蔵の外から来た。
「堤宝山流『逆の火遁』……これで遁がれましてござりますよ。あぶないところでござりました。が、結局土蔵の内に、とじこめられましたは拙者ではござなく、冬次郎様と戸ヶ崎先生! アッハハハ、妙な恰好で! 気候は三月、しかしながら、高原の地ゆえずいぶん寒い、寒い土蔵内の夜気にあたり、一本気に燃えるお胸お頭を、しばらくお冷やしなさりませ。……英俊には相違ござりませぬが、所詮は冬次郎様まだ『お坊ちゃん』! 思慮不熟と存ぜられまする! 熟考こそご肝要! ご免!」
行った。
後は寂寥。
二十
甲州信州の武士たちが、戦国時代に鎬を削った、桔梗ヶ原は古戦場であった。
雨降るごとに鬼火が燃え立つ――これがこの野の名物であり、この夜も春の雨にうたれ、鬼火が四方に燃えていた。
蒼々とした幽霊火! その火に四方を囲まれながら、雨にしとどにぬれながら、高阪郡兵衛は草の上に、依然として坐っていた。