Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

と、不意に行手の林から、提灯の灯が二点ほど現われ、人声とともに近寄って来た。

同じく浪人と百姓どもとの、武器をたずさえての一団で、先刻の一団の別働隊らしく、無頼の態度を見せていた。

「待たれい!」

「どこからどこへ行かれる?」

「ふふん、女を連れているの」

「我らは佐久より参ったもの、百姓一揆指揮するものじゃ」

「応分のご寄附願いたいな」

「お顔拝見」

「まず女から」

一人の浪人が近寄って、織江の菅笠を取ろうとした。

「待て! ……さわるな! ……その婦人へさわるな! ……さわらばそこから切れて飛ぶぞ!」

抑えた、陰々とした、含み声で――十分の自信と相手を侮蔑し、無視した覇気とをこめた声で、そう九十郎は無造作にいった。

が、いいながら九十郎は、その仲間から数間離れ、それらを尾行けて来たかのように、忍び足して歩いて来、その時側の木立の蔭へ、身を隠して腕組みをし、こっちを見ている大髻の武士へチラリと視線を投げやった。

五

(あの武士だけが武士らしい。他の輩は、他の輩は!)

そう思ったからであった。

「さわらばそこから切れて飛ぶと! 何をほざく! ご大相もない! さあどうだ、足が切れて飛ぶか!」