Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

(せめて生かしてやりたいものだ。何んの栄耀など望むものか! この人達はその日その日を、普通に生きてさえ行かれたら、それで満足している人達だ!)

彼女は自分から男装した。そうして一揆の先頭に立った。炊き出しもやり負傷者も労わり、看護もし激励もした。御代田村の陣屋を襲った時には、刀を揮って幾人か斬り、大井村の名主を襲い、相手が逆襲して来た時には、殿をして戦いもした。

そのため九十郎を討ち取ることを、疎そかにしたことは事実であった。

さてこうして現在となった。

一揆も今日が峠であった。

いよいよ城下へ逼る日となり、現に城下へ逼りつつある。

一揆に対する任務は終った。

この時彼女は九十郎の隙だらけの姿を眼に入れたのである。

勃然と復讐の念が湧いた。

「九十郎!」

と斬り込んだ。

「…………」

瞬間九十郎は寝返りを打った。

「復讐! ……観念! ……父兄の仇」

再度斬り込んだ織江の刀を、かわして九十郎はまた寝返った。

それを追い込んで斬り込んだ織江の、刀の下をかい潜り、九十郎は飛んで草の中へ立った。

八

数回実戦にたずさわり、人を斬った経験もある、そういう彼女織江であった。