Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
……殿、天命に安んじられませ! ……やあ方々、殿の御身に、微恙あっても申し訳なし、手揃えご介抱ご介抱!」
声に応じてその時まで、どうなることかと周章狼狽、なすところなく立ち縮んでいた、白須源吾をはじめとし、十数人の意次の家臣ら、一時に群立ち両手を拡げ、意次を中に輪のように囲み、
「殿、はしたのうござりまする」
「まずお静まりなさりませ」
と、貝十郎との中を駈けへだてた。
その間に貝十郎はお浦を伴い、表門の方へ徐々に退いた。
その表門の門外には、うちこわしの暴徒雲集し、怒号し罵詈しひしめいていた。
門扉を打つもの礎石を蹴るもの、丸太で土塀をえぐるものもあった。
この群衆の波に巻かれ、流されるともなく流されて、範之丞と織江とがそこまで来ていた。
さすがに自分では手は出さず、さりながら群衆のやり口に、多分の快味を感じながら、兄妹は並んで眺めていた。
と、眼の前の大門が、突然内部から開けられた。
と、思う間もあらばこそであった。二、三人の暴徒が悲鳴をあげ、朱に染まって地に倒れた。
「斬って出たぞーッ」
「田沼の手のものだーッ」
パーッと群衆は後へ退いた。
はたして一個の壮漢が、血刀を揮って躍り出た。