Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
その翌日のことである。
神道無念流の大剣豪、戸ヶ崎熊太郎が内門弟の一人、平松清三郎を供に連れて、下谷の往来を歩いていた。
牛込神楽坂に道場を持ち、一生を通じて取り立てた門弟、二千人におよぶと伝えられている、この戸ヶ崎熊太郎は、その前後に輩出した剣豪、浅利又七郎や秋山要助や、小野次郎左衛門などという人々と何ら遜色なしといわれた、この時代の代表的剣客で、性恬淡磊落であり、仕官を嫌って生涯仕えず、市井遊侠の徒と多く交わり、無拘束をもって終始したという。
この日は晴れた好天気で、小春のように暖かかったので、両国へでも出かけて行き、本来無邪気な人だったので、盛り場にかかっている見世物でも見ようと、それで出かけて来たのであった。
時刻は白昼で人通りも繁く、暖簾にも長閑に陽があたっていた。
「大変なことがあったそうだな」
不意に思い出したというように、熊太郎はそう清三郎へいった。
「は、何んでございますか?」
藪から棒に大変といわれ、清三郎は驚いて訊き返した。
「世間で取り沙汰しているではないか」
「はて、何んでございますか?」
「昨夜隅田で田沼殿への駕籠が……」
「あああのことでございますか」