Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate

Aozora Bunko

剣技の凄さ、これで知れよう。

(偉い)

と熊太郎は心中で思った。

(油断はならぬ。素晴らしい腕だ)

――思ったとたんにあたかも旋風、砂を巻くがごとき凄じさ、闇を突ん裂いて九十郎、自身も切られろと切り込んで来た。

音!

鏘然!

二合した!

しかも交叉して動かなかった。

暗中に剣が二本組まれ、鍔と鍔とが競り合いせめぎ合い、交叉した刀の間を通し、互いに相手を睨んでいる。

押せば押し返し引けば附け入る、粘りを持った鍔競り合い! 鍔競り合いの恐ろしさは、離れ際の一刹那にある。体形次第呼吸次第、胴を切られるか肩を切られるか、ダーッと腰車をぶっ放されるか!

(足を薙ぐ難剣の持ち主だ! 足へ来るぞ、足へ来るぞ)

熊太郎にはピーンと感じられた。

とまれ迂濶には離れられない、粘った暗中での鍔競り合いであった。

ダ、ダ、ダ、ダダーッとその瞬間、四方から九十郎の手の者が、駕籠へ殺到する足音が聞こえた。

「来たぞーッ外伝!」

「やれーッ新助!」

掛け声! 刃音! 悲鳴! 呻き声!

「先生エーッ、いけねえーッ、人殺しーッ」

と、清三郎の叫ぶ声も聞こえた。鍔競り合いで離れられない、その虚を狙って九十郎の手の者、織江を奪うべく寄せたらしい。