Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
冬次郎はまっしぐらに追っかけたが、お浦の姿は見えなくなった。
(残念、逃がしたか、どうしたらよかろう?)
地団駄を踏む心持ち! それで突っ立ち呆然とした時、すぐ横手の小路から、
「ままごとやろうヨーッ」
と聞こえて来た。
「お浦ヨーッ」
と嬉しさにまた呼び、冬次郎は一散に駈け込んだ。
その小路も闇であったが、鼻の先をお浦であろう、暗きが中に黒い輪廓を、影かのように印しながら逃げようとするのが感じ見えた。
「お浦!」
と躍りかかり引っ捕えた。
「あれーッ」
「お浦! お浦! お浦!」
嬉しさに抱いて締めようとしたとたん、何者か傍らに立つ気勢がして、
ピシリ!
「あッ」
手がしびれた。
放された袖を振ったであろう、お浦は脱兎さながらに逃げ、
「ままごとやろうヨーッ」
と逃げながら叫んだ。
「汝、何者! 卑怯にも不意打ち!」
「お手向かいご用捨くだされい!」
「その声は汝貝十郎!」
「ままごと狂女渡されませぬ。……いましばらくは渡されませぬ!」
「これで二度、よくぞ邪魔だて! ……しかも今夜は後を尾行け来て……もはや堪忍……死ね、十二神!」
飛びかかって切った!
空であった!