Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
得たりとそいつへつけ込んだのが、忍侯の松平正敏様で、屋敷地を官へ返上したものさ。とはたして将軍家から、その地を田沼殿へ賜わった。ハッハッハッ、どんなものだ、欲しいといえばきっと得られる、ならぬといえば出来ないことになる、これが田沼殿のご勢力よ! その田沼殿仰せらく、桑名侯松平越中守の家臣、服部石見の忰と娘、余が家臣平戸九十郎を、親の敵として狙う趣き、ならぬならぬ討つことはならぬ! ……で、そうなるというものさ! ……だからよ俺は安穏に、逐電もせずに江戸に住み、こんなところにゴロゴロしているのだ。……アッハッハッ、討てたら討て!」
ゴロリと九十郎は寝そべった。
天井を向き傷のある足を、繃帯を見せてピンと立て、両手を頭の下へかい、薄笑いをして眼を閉じた。
織江はそれを見詰めていたが、投げ出されてある刀の方へ、ソロリと膝を押し進めた。
九十郎は眼を閉じている。
織江はソロリと手を延ばした。
抜き打ち!
「敵!」
肩を目掛け、
「これでも討てぬか!」
サーッと一太刀!
「あぶねえ!」
足だ!
足でダーッ!
七
化物屋敷の奥の部屋に、ままごと狂女のお浦がいた。
これが化物の本体なのである。