Classici giapponesi con furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Leggi 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 191.184 caratteri · 379 schermate
……と、織江殿はどうなるか。残すも残さぬもありはしない。拙者の自由になろうというものだ」
「ソ、そりゃアそうですが。……」
「安心いたせ」と急に優しく、貝十郎は訓すようにいった。「わしを信じて織江殿を、残してお前は早く立ち去れ」
いわれて勘助は考え込んだが、
「一面は恐ろしい与力様だが、半面は優しい貝十郎様だ。……じゃア私は旦那を信じて、織江様をお預け致し……」
「それがいい、早く行け」
「織江様」と勘助はいった。「お聞きの通りでございますから……」
「勘助さん!」と織江は驚き、かつは不安を感じたらしく、「いいえ妾もあなたとご一緒に……」
「それが行けないのでございますよ」
「織江殿」と貝十郎は、慈しむような声でいった。「お屋敷へお帰りなされたならば、田沼殿の権力で、またどのようなご難儀になるやら。……むしろ拙者貝十郎の手に、安危託された方が安全でござる」
「織江様それじゃアあっしは行きます。……十二神の旦那ア、どうぞよろしく」
出て行く勘助の背後姿を眺め、
「お勘!」
と貝十郎は声を掛けた。
「へい」
「馬鹿者!」
「何んですって※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「お勘になって行けというのだ」