轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
それが曲者の付け込みどころじゃ。そうやって総ての人々の全身の注意が一つに集まり、心が空虚になった時、蠱惑精※の夭邪の気を壁を貫いて送るのじゃ。実を申せばその杉戸も決して開きはしないのだ。開いたように思わせるばかりなのだ……蠱惑精※の夭邪の気が一旦室内へはいるや否や、人々の精神はよろめいて、ありもせぬ形があるように見える。世間の人達が一口に通り魔というのがこれでござる……俺には曲者の本態もおおかた見当がついております。これからすぐにご城内に参り、その曲の法術者を観破してお目にかけましょう」
老人は手軽に立ち上がって、「才蔵才蔵、留守をせいよ。今夜は俺は帰らぬぞよ」奥に向かってこう声をかけ庭下駄を突っかけて歩き出した。
三人の武士は眼を見合わせ、煙りに巻かれたというように、身を起こし老人の後から行った。
いつか村雨も晴れ渡り、露を宿した雑草が秋の野一面に珠を連らね、沈む夕陽に輝いている。
ふと老人は立ち止まった。「主を慕う生物の声がする」こう云うと四辺を見廻わしたが、
「若殿、何か生物を見失いなされはしませぬかな?」
「秋篠と呼ぶ隼を、つい見失うてござります」