轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
その盃
のお父様は、日本のお方ではござりませぬ」
「え?」と思わず千曲は云った。「日本の者でないというのは?」
「そうです。あなたのお父様は、日本のお方ではございませぬ。遠い遠い外国の、西班牙という暖い国の、それも、王様のお血統でマドリド司僧と申すお方……」
「それでは私のお母様は?」
「お母様だけは日本の生れで、それも九州の大大名、竜造寺家の姫君の、不知火姫と仰せらるる美しいお方でございます」
「それなら私のご両親を討ち亡ぼした敵の名は?」
「それは」とお霜は声をひそめ、「木曽の山国を受領する木曽義明でございます」
「木曽の受領の義明!」
千曲は呟くと十字架を取って、額にしっかりとあてたのである。
その盃
十六夜の月を茫然と窓を通して眺めながら、鳰鳥は尚も来し方を夢現のように思いやった。
「それから私はその翌日、篠井の里を抜け出して、木曽路を指して彷徨った。丸子の宿まで来た時に、愚かにも人買いに誑かされて、思いもよらず藪原長者へこの身を遊女に売られたが、仇敵に近寄る手段としてはかえって便利と思ったので、そのまま今日まで暮らしては来たが、行末どうなることであろう……敵の住むという福島へはたった二宿の道程で、どんなに山路が険しくとも一日がかりで行ける筈、と云って館は抜け出されず、たとえ抜け出して行ったとしても、武術も習わぬ女の身で