轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
虚空に浮かぶ大振り袖
「何故と申しても、実のところ、私は誰がこの私にお家の秘密を明かしてくれたか、忘れてしまったからでございます」
甚五衛門はそれを聞くと鋭い声で哄笑した。
「では忘れたとおっしゃいますか? いよいよそれに相違なくば、あなたはどうして身に降りかかった疑惑をお解きなされますな?」
「私は潔白でございます! 身に降りかかった疑惑など私には何もございません!」
「あくまで明しを立てぬとなら、殿の寵妾とて容赦はせぬ! 殿に願って御身を捕らえ充分糾明致すまでじゃ!」
「えッ」と鳰鳥はそれを聞くと、義明公の膝元へ転がるように走り寄り、そのまま膝へ取り縋った。
虚空に浮かぶ大振り袖
義明はひしと鳰鳥を可憐しそうに抱えたが、甚五衛門を睨みつけ、
「ええ、差出者の大白痴め! いつもの思慮深いその方が、今宵の仕業は何事じゃ! マドリド司僧の残党とこの鳰鳥とを一列に並べ、何一つ証拠のないのもいとわず詮議立てする愚か者、少しく乱酔いたしたと見える。くどく申さば今夜限り余が面前より遠ざけるぞ! ……鳰鳥! 義明が許すほどに構わず部屋へ帰るがよいぞ。そうじゃ、そうしてそちの部屋で、更めて酒宴を開こうぞ。